よく保育士の間で、”妊娠中はオムツ替えをしない方がいいのか?”という議論が巻き起こります。
結果的に言うと、答えはYESです。
その理由として
- 妊婦の免疫力
- こどもの菌
- 幼稚園という場所
が挙げられます。それではもう少し掘り下げて話していきましょう。
妊婦の免疫力
妊娠中の女性は免疫力がとても弱っています。妊娠前に比べて女性ホルモンの割合が大きくなり、ホルモンバランスが崩れるためです。そのため、細菌性免疫も低下し通常よりも病気が重病化しやすいのです。
妊婦さんが病気になればもちろんのこと、おなかの赤ちゃんにも影響があります。
こどもの菌は強い
こどもがよくかかる感染症の中で主なものをあげてみました。
風疹 | くしゃみ、せき、しぶきによる感染 |
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手足口病 | くしゃみ、唾液、鼻水、接着感染、汚物 |
ウイルス性胃腸炎 | 嘔吐物、便、接触感染、空気感染 |
インフルエンザ | くしゃみ、咳、接触感染 |
いずれも感染経路は空気感染、接触感染が多くみられます。
保育士として幼稚園で働く際に予防接種の記録の提出を求められることもありますので、妊娠中でなくても気をつけなければいけません。
幼稚園という環境

幼稚園という場所は、多数の子どもが集まる場所で人数が多ければそれだけ菌も存在しているということです。保育士の仕事の一つとして欠かせないのが遊具、おもちゃの消毒です。毎日こどもが触るものは毎回消毒を行います。しかし、せき、くしゃみ、はなみずを日常的に身近に接触している保育士はいつも菌と隣り合わせです。
おむつ替え

胃腸炎や手足口病は便から2~4週間にわたってウイルスが排泄されるので注意しなければいけません。便には大量のウイルスが含まれており、それによって汚染が広がることもあります。
わたしたち保育士はおむつ替えの時も手袋をして直接触らないようにします。オムツ替えのベッドもすぐさまスプレーで消毒します。そして処理し終えたらきっちりせっけんで手洗いをします。こどもたちもトイレをし終えたら泡できちんと手洗いをします。衛生面は徹底しましょう。
それでも菌は目に見えないものなので、ふとふれたトイレのドア、かべ、便器のふたから感染することもありますので十分な注意が必要です。
予防と対策

ここまでみてくると、幼稚園で働くこと自体こわくなる妊婦さんもいるかもしれません。だけど日常どこにいても私たちは菌にさらされて生活をしているのです。そして幼稚園で働くならば自分で自分の身を守るしかないのです。
- 自分自身の手洗いの徹底と子どもたちの手洗い、消毒の徹底
- 予防接種
- 体の免疫力を高めるために適度な運動、十分な睡眠、バランスのとれた食事
また、オムツ替えを他の保育士に頼むことも、勇気がいりますが自分のこどもを守ることも大切なことです。
おわりに
うちの幼稚園では妊娠した保育士はオムツ替えをしないことになっています。妊娠が分かった時点でオムツ替えを他の保育士に頼む先生もたくさんいました。母子ともに健康に育ってほしいので、保育士同士の協力、チームワークが必要です。
※園の方針によってそれぞれ違います。
私はかれこれ13年保育士として働いていますが、菌にはものすごく強いです。周りの皆が病気にかかっていても私だけ平気なこともあります。かつては胃腸炎で死ぬかと思うほど苦しい思いもしましたし、熱でうなされたこともありました。こどもの菌は恐るべしです。でも今はもうきっと沢山の菌を持っていて免疫が付きまくったのでしょう。しばらーく風邪もひいていません。だからといって免疫力の低下している妊婦さんに同じようにするわけにはいきません。できることならなるべく菌をさけて最悪の事態を免れましょう。その点からいうと、妊婦がオムツ替えをするのは避けた方がよいでしょう。