うちの子は他の子と比べて言葉が出てくるのが遅いなぁ、とか、
いつ喋ってくれるのかな、、と不安に感じたことありませんか?
子どもがどもった話し方をしたり、言葉が出てこなくていらいらするしぐさをしたりすることをありませんか?
こどもたちそれぞれ一人一人成長のスピードも性格も違うので、心配になりすぎはよくありませんが、スピーチセラピーに行くという選択肢もあることを視野に入れてみてはどうですか?
実際にスピーチセラピーに通っている子どもたちが私の園にもいますが以前と比べて言葉がはっきりしたなぁ、聞き取りやすくなったなぁ、と感じます。子ども自身も他の子とコミュニケーションがとりやすくなったためか明るくなりました。
”スピーチセラピー”と聞いていまいちピンと来ない人もいるかもしれません。
しかしオーストラリアではとても身近な存在です。
ここでは、そんな子どもたちの言葉の発達の手助けをしてくれるスピーチセラピーについてお話しします。
判断基準は?
まず、どの年齢で言葉が遅いかふつうなのかを判断するかというと、
2歳で
- お友達の名前を言う
- あっち、こっちなどの指示語を言う
- ~したい、したかったなど要求できる
- 2語以上で話せる
これが基準になります。
2歳前後で言葉が全く出てこない、簡単な単語が出てこない場合、言語障害を疑います。ただ、環境の違いによっても個人差があるのですぐには判断できません。
どもる、きつ音などがみられた場合にはスピーチセラピーに行く選択肢を視野に入れてみてください。
スピーチセラピーとは?
そもそもスピーチセラピーとは、Speech Language Pathologist と呼ばれていて、言語習得が困難な人たちを対象におこなわれます。
主に、発音(Speech)、言語(language)の分野に焦点を当てています。
どうやってスピーチセラピーにたどり着くかというと、
オーストラリアの場合、
- まずはGP(General Practitioner,総合診療)に行きます。
- GPで子どもたちの健康、成長に詳しい専門家を紹介してくれます。
- 専門家がこどもの発達状況をみます。言葉が理解できているかどうか、意思疎通ができるか、耳がきちんときこえているかをチェックします。身体能力もみます。
- 診察の結果、必要だと思われたらスピーチセラピーに行くことを勧められます。
※幼稚園に通っているこどもの場合、GPに行かずPEDS (Parent’s Evaluation of Status)を親が記入することにより、専門家からの連絡が直接親に行きます。
言葉の遅れ?障害?
オーストラリアは、移民の国ともよばれているくらいマルチカルチャーです。200カ国語以上の違った言語を話すともいわれています。
国際結婚も増えている環境でバイリンガルやマルチリンガルのように、一度に多くの言語を取得する場合、言葉がでるのが遅くなる子もいます。
※バイリンガル、マルチリンガルが言葉が出るのが遅いという医学的根拠は証明されていませんが、脳が混乱して話につっかかる、単語がパッと出てこないことはうちの子どもたち(家で日本語、外では英語の生活)で証明済みです。
この場合は障害ではありません。
何歳から通えるのか?
オーストラリアの場合は、だいたい3歳くらいで通わせる家庭が多いです。親の判断にもよるのでまちまちですが、早くから通わせて改善していこうと取り組む親たちが多いですね。通常3歳くらいからボキャブラリーがどんどんと増えおしゃべりが多くなるので、周りとの違いに気付きやすくなってきます。
スピーチセラピーでおこなうこと
- 言語介入アクティビティー
絵本を読む、遊具で遊ぶなどを通して、子どもと対話をして発音や会話のスキルをあげていきます。正しい語彙、文法を使うことを繰り返し練習します。
- アーティキュレーション療法
音作り、音節を正しくさせる練習をします。年齢に応じて、「R」や「T」の音などの特定の音を出す練習もします。鏡を使って自分の舌の動きを確かめながらの訓練もあります。
- 口腔運動,摂食および嚥下療法
筋肉の強化するため、顔のマッサージ、舌、唇、あごの運動を含む様々な運動。口腔内の強化のため、いろいろな食感や食べ物をすすめることもあります。
1人で抱え込まないこと
オーストラリアでは、早い段階でスピーチセラピーに通う子どもも多くいます。親が心配して保育士に相談するケースと、その逆もあります。
幼稚園では言葉だけでなく、何かしらの変化が見られた場合には、まめに親と連携をとり解決していく方法を探っていきます。
このように、こどもを社会全体で育てていくことで親一人の負担が軽減して楽しい子育てをしていけることが保育にかかわる私たちの役目でもあります。